「こんなものは食べたことがない」――私たちが確信した、一切れの厚み
『天霜の雫』をご支援くださっている皆さま、そして見守ってくださっている皆さま、こんにちは。
プロジェクト担当の大隅です。
前回まで、熊本の土と炎から生まれたお皿や、器を大切に使い継ぐ「お直し」の取り組みについてお話ししてまいりました。
食卓を整える美しい舞台が出来上がったいま、いよいよ本プロジェクトの真ん中にある「お肉」についてお伝えしたいと思います。
私たちは今回、27年受け継がれてきた三十八の味を全国へ届けるにあたり、ある一つの数字と徹底的に向き合いました。
それが、「肉の厚み――こだわりの3ミリ」です。
ちなみに一般的なものは、1ミリから1,2ミリ。
お肉、特に私たちが扱う良質な馬刺しやお肉の味わいは、素材そのものの良さだけで決まるものではありません。
肉の繊維をどの角度で見極め、どの刃の入れ方で、どの厚みに切り出すか。
私自身も実際に実験に加わり、数ミリの違いによって、舌の上での脂のほどけ方や香りの立ち上り方、噛み締めたときの旨みの広がりが、まったく別のものへと変わってしまうことがわかりました。
「大切な方へ届けるひと箱だからこそ、今まで誰も食べたことがないような、感動を。最初の一口で心を揺さぶられる一切れを作りたい」
その想いから、実際に社長を含め、実験と検証を行いました。
職人さんが包丁の角度を変え、厚みを微妙に変えながら、1枚ずつ丁寧に切り出していきます。

結果、一般的な1ミリが、薄すぎる!と気づきました。
薄く引けば、舌触りはなめらかになり、すっと溶けるような軽やかさが生まれます。
けれど、どこか頼りなく、肉そのものが持っているたくましい生命力や「食べた」という満足感がかすんでしまう。
逆に少しでも厚すぎてもうまくいかず。
「もう少し薄いほうが、脂が綺麗にほどけるだろうか」
「いや、これだと肉の旨みを噛み締める喜びが薄れてしまう」
切っては食べ、首を傾げ、また切り直しては口に運ぶ。
机の上には何種類も厚みのお肉が並びました。
そうして試行錯誤を重ね、包丁からすっと離れ、切り出された一切れ。
口に含んだ瞬間、それまでとは明らかに違う感覚が広がりました。
社長「……これやろ。。」
私「これですね」
歯を当てた瞬間の心地よい弾力と、噛み締めるほどにじわりと溢れ出してくる、力強い赤身の旨み。
そして、決して口に残ることなく、体温ですっとほどけていく脂の澄んだ甘み。
「こんなの食べたことない!!」
感動がありました。
「こんな馬刺し、見たことないですよ」
ほかのメンバーが言う。
思わず社長と顔を見合わせました。
食べ応えがあるのに、重たさが残らない。「これしかないでしょう」。
言葉を交わすよりも先に、全員が「これだ」と確信した瞬間でした。
その厚みは「3ミリ」

2ミリでは軽すぎて、4ミリでは重すぎる。
素材の持つポテンシャルを極限まで引き出す「3ミリ」という厚み。
贅沢です!
社長の鈴木は、見た目もしかり、太っ腹。
「このくらいないと!満足せんでしょう!高くなるとか、金額ではないんですよ、これでいきましょう!」
27年の歴史を背負う三十八の想いと、現場で命と向き合ってきた職人さんの技術。
その両方が重なり合ったからこそ辿り着けた、妥協のない答えです。
このこだわりの3ミリに込められた感動を、ぜひ皆さまの手元へ、そのままの鮮度と熱量でお届けしたいと思っています。
ぜひ、お試しください!
(プロジェクト担当:大隅)