【第四話】学生の情熱がつくりあげたアイスクリーム──販売への道のりと、失敗から得た学び

2025年7月2日
東海大学発 未来の健康を育む乳酸菌ファンド

【第四話】学生の情熱がつくりあげたアイスクリーム──販売への道のりと、失敗から得た学び
前回の記事では、クランベリーソース入りチーズアイスクリームが完成するまでの物語をお届けしました。ただし、私たち学生が作ったアイスクリームはそれだけではありません。今回は、より多くの人に届けるための「定番」の味、そしてそこに込めた学生らしい工夫、そして初めての「販売」に挑んだ日々の記録をお伝えします。

■定番の味にも、学生ならではのひと工夫を
チーズアイスは確かに意外性のある面白い味でしたが、「やっぱり定番の味も欲しいよね」というメンバーの声から、バニラチョコレートの開発も始まりました。
でも、ただのバニラとチョコでは、面白くない。そこに私たち学生サークルなりの個性を加えることにしました。
まずバニラ味には、チョコクランチを加えることで、食感にアクセントを持たせました。なめらかなバニラの中に、カリッとしたチョコの歯ごたえが心地よく、老若男女問わず楽しんでいただける味わいに仕上がりました。
一方のチョコアイスには、星形のマシュマロをトッピング。実際に商品を手にとっていただければ分かるのですが、これがとにかく「かわいい」。若い女性層、特にSNS世代を意識して設計したトッピングで、写真映えする商品を目指しました。ビジュアルも味の一部だと考えたのです。
このように、ただ「味を作る」だけでなく、「どう見せるか」「どう感じてもらうか」までを考えてアイスをデザインしていく作業は、学生であっても十分に商品開発として成立するのだと、私たちは自信を深めていきました。
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■はじめての「販売」への挑戦
商品が完成し、いよいよ次は販売です。
販売先としてまず思いついたのは、私たちの拠点である東海大学熊本キャンパスに併設されているデイリーヤマザキ。学生や教職員の目に触れやすく、アクセスも良いため、ここでの販売を目指すことにしました。
ところが、この「販売する」というプロセスが、私たちにとってはまさに未知の世界でした。何を準備すればいいのか、どんな資料を持っていけばいいのか、すべてが手探り状態。とりあえずアイスの紹介資料を1枚作り、それをもって商談に臨みました。

■「商談」という大きな壁──聞かれても分からない
商談当日、私たちは非常に緊張していました。相手はプロの流通業者。学生の私たちとは、当然ながら視点も用語も違います。
たとえば、こんな質問が飛んできました。
「この商品、〇がけで大丈夫ですか?」
「……え?」
正直、何を聞かれているのか分かりませんでした。あとで調べて分かったのですが、これは「仕入れ価格と販売価格の倍率」の話。つまり、流通における利益の取り方の話でした。こうした商売の常識すら分からないまま飛び込んでいたのです。
他にも、「ロットは何個からいけるの?」「販促どうするの?」といった質問が相次ぎました。
私たちは販促と言えば「POPを作る」くらいしか想定しておらず、「チラシ配り」「呼び込み」「プレスリリース」などといった発想が一切ありませんでした。
この商談はまさに“惨敗”。けれど、私たちは失敗から多くの課題を見つけることができました。

■再び、サークル内で作戦会議
商談から戻った私たちは、すぐにサークル内で作戦会議を開きました。
  • 価格はどう設定するのか?
  • どのようなPOPが効果的か?
  • A0サイズのポスターは誰が作るのか?
  • チラシ配りはいつ、どこで行うのか?
  • 呼び込みはどのタイミングで?
こうした問いに一つずつ向き合い、解決策をメンバー全員で考えました。アイスクリームを作るのが「前半戦」だとしたら、ここからはまさに「後半戦」。本気の総力戦でした。

■販売一週間前──駅頭チラシ配りスタート
販売日の一週間前から、私たちは朝のチラシ配りを始めました。
場所は、大学の最寄り駅である東海学園前駅。学生の登校時間に合わせて、朝の7:30から8:30まで駅前に立ち続けました。
眠い目をこすりながらも、声を出して呼びかけ、チラシを手渡す。受け取ってくれない人も多かったですが、少しずつ「何かやってるらしいぞ」という空気が広がっていきました。
併設している高校の先生や学生にもPRし、さらにデイリーヤマザキの店舗内にA0ポスターを掲示してもらい、視覚的なアプローチも強化していきました。
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■販売当日──カメラの前で、震えながら笑った
そして迎えた販売当日。私たちはこの日に向けてプレスリリースも発信しており、なんと熊本のテレビ局が取材に来てくれました。
納品の様子、呼び込みの風景、ポスターの紹介、インタビュー──すべてが初体験。テレビカメラの前で、手が震えるほど緊張しながらも、なんとか笑顔で対応しました。
この日の売れ行きは想像以上に好調。前日までの告知活動が実を結び、多くの学生や教職員、一般の来店客の方に購入していただくことができました。
「これ、学生が作ったの!?すごいね」
「星のマシュマロがかわいい!」
「思ったより本格的でおいしい!」
そんな声を直接聞けたことが、何よりの報酬でした。
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■振り返って──学生にしかできない価値の創造
この販売体験を通じて、私たちは本当に多くのことを学びました。
「商品を作る」ことの難しさも、「売る」ことの厳しさも、「人に伝える」ことの大切さも、すべてが初めての経験でした。しかし、そのどれもが**“生きた学び”**となり、今でも私たちの血となり肉となっています。
振り返れば、私たちは「学生だから」と言われることも多々ありました。でも私は思うのです。学生だからこそ、できることもある。学生にしか作れない価値がある。
その価値を信じて、これからも私たちは挑戦を続けていきます。
次回は、こうして得た知見をもとに、さらに広い世界への販売・展開に挑戦していく様子をお届けします。
「学生×商品開発」──その可能性は、まだ始まったばかりです。/data/blog/archive/original/60603.jpg

ファンド情報

東海大学発 未来の健康を育む乳酸菌ファンド
株式会社プロバイオ
集まっている金額
3,520,000 円 / 6,000,000 円
一口
21,600
会計期間
5
参加人数
69
残り日数
88
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