腸から脳へ――【世界初!】豆乳ヨーグルト研究で見えてきた新しい可能性

2025年9月3日
東海大学発 未来の健康を育む乳酸菌ファンド

こんにちは、研究員の中島です!

今回は、私たちが世界で初めて明らかにした「ソイペディオ®菌で発酵させた豆乳ヨーグルトの認知機能への効果」に関する研究をご紹介します。
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この研究は、私自身が博士課程で取り組んだ最も思い入れのあるテーマで、苦労と試行錯誤の末に博士号を取得することができました。


成果は食品科学分野の国際学術誌「Current Research in Food Science」(IF=6.2、Q1ジャーナル)に掲載されています。また、嬉しいことに今年に日刊ゲンダイ、Yahoo!ニュースでも本研究の記事が掲載されました(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/health/367335#goog_rewarded)!

ご興味のある方はぜひこちらの論文の原本もご覧ください(英語論文ですが…!):
https://doi.org/10.1016/j.crfs.2025.100993
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記事は少し長めですが、最後に概要も載せていますので、お時間がない方はそちらだけでも読んでいただければ嬉しいです。
 

豆乳ヨーグルト研究の背景

近年、植物由来ミルクが注目を集めていますが、「豆乳を乳酸菌で発酵させた豆乳ヨーグルト(発酵豆乳)」に関する研究はまだ少ないのが現状です。

東海大学農学部・食品バイオ化学研究室(木下英樹准教授〈現プロバイオCEO〉のラボ)では、ソイペディオ®菌(正式名称:Pediococcus pentosaceus TOKAI 759m)で作った豆乳ヨーグルトについて、これまでに抗酸化作用・抗炎症作用・終末糖化産物(AGEs)の生成抑制といった機能を細胞や動物実験で明らかにしてきました。
薬機法の関係で効果効能を直接は伝えられませんが、研究を進めるたびにソイペディオ®菌による豆乳ヨーグルトの力に驚かされています。
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世界的な課題 ― 認知症

次に注目したのが「脳の健康」、特に認知症です。
2019年時点で世界の認知症患者は約5740万人。2050年には1億5280万人に増えると予測されています。わずか30年で約3倍という驚くべき数字です。

医療は進歩しているものの、認知症の根本的な治療薬はいまだに存在しません。だからこそ「発症してから治す」のではなく、「日々の生活習慣から予防する」ことが重要なのです。

認知症のリスク因子として注目されているものの一つが「肥満」です。肥満は生活習慣病の温床となるだけでなく、腸内細菌のバランスを崩し、腸・血液・脳にまで慢性的な炎症を引き起こすことが分かってきました。脳において炎症が長く続くと、神経細胞にダメージを与え、記憶や学習に関わる機能に悪影響を及ぼします。

つまり、「肥満 → 腸内環境の悪化 → 慢性炎症 → 認知機能低下」という悪循環が存在すると考えられるのです。


実際の研究内容

マウスを以下の5グループに分け、15週間にわたって飼育しました。
  1. 通常のエサ
  2. 高脂肪食
  3. 高脂肪食+未発酵豆乳
  4. 高脂肪食+ソイペディオ®菌で作った豆乳ヨーグルト
  5. 高脂肪食+ソイペディオ®菌
 

実験結果 ― 認知機能と炎症の改善

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  1. 認知機能の評価(新規物体認識試験)
    通常食のマウスと比べて高脂肪食群では記憶力が低下しました。しかし、豆乳ヨーグルトを与えた群では記憶力の低下が抑えられていました。未発酵豆乳や菌のみでは効果が見られず、「発酵した豆乳ヨーグルト」に特有の作用があることが分かりました。
     

  2. 脳と血液の炎症レベル
    炎症の指標となるサイトカインを測定したところ、豆乳ヨーグルト群では血液や海馬(記憶をつかさどる部位)において炎症物質の量が有意に低下していました。さらに、脳内の免疫細胞「ミクログリア」の異常な活性化(上記写真右側の緑の細胞)も抑制されていました。
     

  3. 腸内細菌叢の変化
    腸内環境を解析すると、酪酸産生菌(Clostridium, Akkermansia, Coprococcus)の割合が増加していました。酪酸は腸のバリア機能や免疫調整に重要で、脳内の炎症抑制にもつながることが知られています。実際に、これらの菌の増加と認知機能改善との間には有意な相関関係が見られました。

 

研究の意義と今後

これらの結果から、ソイペディオ®菌で作った豆乳ヨーグルトは「腸内細菌叢を改善 → 慢性炎症を抑制 → 認知機能の低下を緩和」という仕組みで作用している可能性が示されました。
未発酵豆乳や菌単独では効果が見られなかったことから、発酵によって生じる特有の成分(アグリコン型イソフラボンやアデニンなど)が関与していると考えられます。
現在は老齢マウスでの長期試験を進めています。今後はクラウドファンディングでのご支援をもとに、臨床試験へとつなげ、人への有用性をさらに明らかにして皆様の元にお届けして参りたいと考えています。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

薬機法の関係で表現に限界はありますが、今後も大学での研究成果を分かりやすくご紹介していきます。皆さまからの応援やコメントが、私たちの大きな力になります。引き続き一緒に豆乳ヨーグルトを広め、社会に還元していければ幸いです。


論文の概要(要約)
本研究は、ソイペディオ®菌(Pediococcus pentosaceus TOKAI 759m)で発酵させた豆乳ヨーグルトが、肥満モデルマウスにおいて脳内炎症を軽減し、認知機能の低下を緩和することを世界で初めて示したものです。
その作用には、発酵により生じた特有成分や、酪酸産生菌の増加を通じた腸内環境改善が関与している可能性が示されました。
 
 

ファンド情報

東海大学発 未来の健康を育む乳酸菌ファンド
株式会社プロバイオ
集まっている金額
4,920,000 円 / 6,000,000 円
一口
21,600
会計期間
5
参加人数
104
残り日数
21
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