発酵だけに、八項・・・
こんにちは。
茨城県の内山味噌店、内山です。
味噌屋の熟成肉は、「これぞ熟成肉!」と言われるような、通常の肉とは明らかに異なる熟成肉特有の味わいづくりを目指しています。
そのためにその製造基準を「蔵人仕込みの熟成ルール」として8つの項目を掲げ、明文化しています。
今回はこのルールが「お客様に対するの製品づくりへの約束」にもなると思いましたのでご紹介します。
「蔵人仕込みの熟成ルール」
その1、気流乾燥熟成
赤身肉のかたまりを包装などせずにそのまま空間にさらし、大きな空気の流れの中で乾燥熟成させることで、肉自身の重量は20%以上減少します。しかし、その分旨味が凝縮されます。
その2、チルド熟成
肉を0℃以下で保存すると凍結し、その間酵素分解がほとんど起こりません。つまり0℃以下で保存することを熟成とは言いません。それは単なる冷凍保存です。私たちは熟成に最適なチルド温度帯(1℃~4℃)で厳密に管理することでしっかり熟成させます。
その3、熟成期間は28日以上
米国食肉輸出連合会の報告によりますと、14日以上熟成させることで熟成肉特有の味わいが出てくるとあります。しかし私たちは肉の個体差による熟成の遅滞も考慮し、その2倍の28日間(4週間)以上を熟成期間と定め、十分に熟成させることで個体差による出来不出来を最小限にします。
その4、麹菌による空間管理
熟成室内での麹の育成管理を定期的に行うことで、絶えず麹菌の優勢な環境を維持し、雑菌が無秩序に繁殖することを防ぎ、腐敗のリスクを最小限にします。
その5、生麹での発酵
熟成中に定期的に生麹を肉表面に揉みこむことで、肉表面からの発酵を促し、一段と旨味を凝縮させます。
その6、専用熟成室での管理
他からの雑菌汚染を極力避けるために、熟成肉専用の熟成室とし、それ以外のものは一切保管または熟成させません。
その7、国産牛使用
「味噌屋の熟成肉づくり」を国産銘柄牛の霜降り肉の美味しさにもひけをとらない赤身肉の加工技術とするために、国産牛の赤身肉を使用します
その8、内製化にこだわる
麹の発酵を利用した熟成肉づくりは、まだ発展途上です。さらなる技術向上を図るためにも、できる限り内製化にこだわります。
以上、発酵(hakko)の音読みにかけて八項(hakkou)目としました。この八項目を熟成ルールとするとともに、お客様への製品づくりに対するお約束とし、真摯な姿勢で「味噌屋の熟成肉づくり」に取り組んでまいります。引き続きよろしくお願いいたします。