【研究者の想い】豆乳ヨーグルトに込めた、未来への想い ― 東海大学発ベンチャー「プロバイオ」の挑戦 ―

2025年4月22日
東海大学発 未来の健康を育む乳酸菌ファンド

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はじめまして。株式会社プロバイオの(前)代表取締役社長であり、現在は日本学術振興会特別研究員(PD)として東海大学で豆乳ヨーグルトの研究を続けている中島勇貴と申します(写真右から、現社長で東海大学名誉教授の井越、中島、CEOで東海大学准教授の木下、社員の福地)。
(※「前」という肩書がつく理由については、記事の後半でご紹介いたします)


今回は、私たちが情熱を込めて開発した「豆乳ヨーグルト」のお話……の前に、まずは「なぜプロバイオという会社を立ち上げたのか」、その想いについて私自身の視点からご紹介させてください。
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  • 熊本地震を経験して

前回の記事では、代表の木下が熊本地震をきっかけに、大学の研究成果を社会に還元したいという想いからプロバイオを設立した経緯をご紹介しました。
実は、私自身も熊本地震の被災者です。
東海大学農学部に入学してわずか2週間後、熊本地震が発生。住んでいたアパートが倒壊し、当時1階に住んでいた私は生き埋めの状態になりました。倒壊した家屋の外から、意識を失わないよう声をかけてくださった大家さん、県外から駆けつけてくれたレスキュー隊の方々に助けられ、こうして今があります。本当に感謝してもしきれません。


避難所生活を経て、一時的に実家へ戻ることになった帰り道、高速道路のサービスエリアで蛇口からお湯が出た瞬間、そして温かいご飯を口にしたときの感動は、今でも忘れることができません。


「当たり前だと思っていた日常が、どれだけ尊いものなのか」


この経験が、今の私の原点になっています。

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  • 研究との出会いが人生を変えた

その後、大学が再開しても、しばらくは心が動かず、何に対しても気力が湧かない日々が続きました。
転機となったのは、大学3年次に配属された研究室での出会いです。そこは、現代表の木下が主宰する研究室で、「乳酸菌」や「発酵食品」をキーワードに、健康、環境、農業、畜産など幅広い分野に取り組むユニークな研究を行っていました。


中でも私が取り組んだのは、乳酸菌が持つ小さなRNA分子(small RNA)の研究です。
正直、最初は難しすぎて不安だらけでしたが、実験を重ねるうちに、ある発見をしました。乳酸菌由来のsmall RNAを免疫細胞に作用させると、驚くほど免疫応答が変化したのです。研究室に駆け込んで「先生!面白いデータが出ました!」と報告したあの瞬間のワクワク感は、今でも鮮明に覚えています。世界で初めての瞬間に立ち会えることが研究者の特権ですね(100回実験してもあるか無いかというほど貴重ですが)


それをきっかけに研究に没頭し、国内外の学会での発表や国際論文の執筆など、貴重な経験を積むことができました。

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「就職」ではなく、「起業」という決断
修士課程2年になり、周囲が就職活動を始める中で、私も企業への就職を考えていました。
そんな中、木下から「一緒に起業しよう」と真剣に声をかけられました。最初は「そんなこと本当にできるのか」と不安でいっぱいでした。
奨学金の返済、親の将来、自分の生活。頭で考えると「起業」という選択肢はあまりにも現実的ではありませんでした。


しかし、ある企業の最終面接で、自分の研究そのものを否定されたことで、心の底から悔しさと怒りが込み上げてきました。

その感情の正体を突き詰めたとき、「自分は、研究が心の底から好きなんだ」という気持ちに気づいたのです。

そして何より、今自分が踏み出さなければ、その研究成果は誰かのために役立つことなく、アカデミアの研究のまま眠ってしまうのではないか、なんて勿体ないんだ!と熊本地震での経験が頭の中で湧き上がってきました。


そのまま研究室に戻り、木下に「一緒に起業します!」と伝えました。
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  • 研究と起業、そしてこれから

こうして、研究者としての道と起業家としての道、両方を歩むことになりました。
博士課程に進学して豆乳ヨーグルトの研究をしながらプロバイオの代表を務め(豆乳ヨーグルトの魅力は別の記事でたっぷりお話させてください)、2025年3月には無事に博士号を取得。現在は国の支援を受けて日本学術振興会特別研究員として豆乳ヨーグルトの研究を続けており、その関係で今年度は社長の肩書を一時的に外しておりますが、来年度には正式に復帰予定です。
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  • 仲間と共に歩むプロバイオ

ここまでの道のりを振り返ると、私一人の力では絶対に実現できなかったと感じています。
木下が声をかけてくれたこと、東海大学名誉教授・井越先生のサポート、社員の福地、そしてたくさんの方々の温かいご支援があって、今のプロバイオがあります。


私たちの理念は「ワンヘルスの実現」。
人の健康、動物の健康、環境の健全性。すべてをつなぐ社会を、発酵と乳酸菌の力で支えていきたいと考えています。

 

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  • 豆乳ヨーグルトと未来

現在、私たちは豆乳ヨーグルトという新しい選択肢を広げるため、クラウドファンディングに挑戦しています。
この豆乳ヨーグルトの開発と商品化は、大学での研究成果を社会に届ける第一歩です。
研究室で生まれたこのヨーグルトが、全国、そして世界中の人々の健康を支える製品になること。
それが研究者として、そして開発者としての私の願いです。


もし少しでも共感いただけましたら、下記のページをご覧いただけると幸いです。
応援の一つひとつが、未来への力になります。
クラウドファンディングページ:
https://www.securite.jp/fund/detail/8410
 
これからも、誠実に、地道に、そして情熱を持って。
「発酵のチカラ」を未来へ届けてまいります。

どうか、プロバイオのこれからと、広がる“未来の風景”を、共に応援していただければ幸いです。
次回は、プロバイオの社員・福地より、また新たな視点でお届けします!
 
中島勇貴
 


ファンド情報

東海大学発 未来の健康を育む乳酸菌ファンド
株式会社プロバイオ
集まっている金額
1,900,000 円 / 6,000,000 円
一口
21,600
会計期間
5
参加人数
29
残り日数
159
【ご留意事項】
当社が取り扱うファンドには、所定の取扱手数料(別途金融機関へのお振込手数料が必要となる場合があります。)がかかるほか、出資金の元本が割れる等のリスクがあります。
取扱手数料及びリスクはファンドによって異なりますので、詳細は各ファンドの匿名組合契約説明書をご確認ください。
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